2014-05-19 穂落神について、神が稲魂を落とすとそこが水田になるといわれていたそうですが、「誰々の祖先がこの水田を作った」というようなものは言い伝えられなかったのですか。 日本史概説 I(14春) 穂落神とは異なるレベルの伝承ですが、始祖が開拓神として活躍する物語は伝承されています。もちろんずいぶん時代が下って7〜8世紀の物語ですが、現在の茨城県あたりの地誌である『常陸国風土記』の行方郡条には、箭括麻多智なる人物が、夜刀神という蛇神の妨害を克服して扇状地を切り拓き、田を開発する始祖伝承が載せられています。このような物語は当時多数生み出され、始祖の顕彰、すなわち共同体の結束に役立てられたと考えられます。