当時のシャーマンと呼ばれる人たちは、どうして占いなどをやり始めたのですか。そうすることで自分の思い通りに世の中を動かそうとしたのか、神々の声が本当に分かると思っていたのでしょうか。

現代社会で日常生活を営む私たちには信じがたいことかもしれませんが、現在も神の声を聞くシャーマンは存在します。彼らは原因不明の病などに罹り、医療では克服できないそれに苦しみ悩み抜いた末に、先輩のシャーマンのもとを訪れ修行の末に克服し、自分自身もシャーマンとして覚醒した人々です。彼らが聞く声やヴィジョンを幻覚、幻聴などと断定してしまうのは我々の傲慢で、例えば精神医学などでも変性意識、意識の拡張として重視する方向もあります。歴史学や人類学においては、彼らのヴィジョンが時代や社会のなかでどのような役割を果たしてきたのかを考えることが重要です。