薪炭材を得るために伐採が行われたとありましたが、埴輪や土器の直接の材料となる粘土の採取は、自然環境に何か影響を及ぼしたのでしょうか。

陶邑のような須恵器窯の近くでは、粘土を採掘した坑の遺構が多く残っています。良質の粘土が検出されるまで幾つもの坑を掘り返したあとや、5〜10メートルの深さにわたって粘土を掘り出した坑道などが検出できます。薪炭材の確保のために行われる森林伐採より影響は少ないでしょうが、窯業の全行程を含めた場合、環境に深刻な打撃を与えていったことは否定できません。