縄文人は彫りが深くがっしりした体格であったのに、弥生からは彫りが浅い細身の体格へ変わったのでしょうか。

縄文人弥生人の体格比較などは、発掘された骨格などから復原されていますが、それぞれの時代に列島に暮らしていた人々の平均値が採られているわけではありませんので、統計学的に正確さに欠けるものです。また、比較のために用いられるデータは多く北部九州や中国地方日本海側のもので、中国大陸や朝鮮半島と密接な交流を持っていた地域であり、渡来人そのものか、あるいはその形象を色濃く受け継いでいる個体のものなので、それまで列島に暮らしていた人々との差異が存在するのは当然といえば当然なのです。両者の特徴的相違を正確に導き出してゆくためには、それぞれの時代において、日本列島の各所でどのような形象を持った人々が暮らしていたのか、地域の多様性を重視しつつしっかりデータとして把握してゆく。そのうえで各時代の平均値を採り、全体の共通性を抽出したうえで比較することが必要でしょう。