花岡山5号墳で24名の埋葬があったとのことですが、血縁者のどれくらいまでが葬られるものなのですか。

古墳は、基本的に首長が埋葬される墓ですが、横穴式石室の導入により、その親族へ範囲を拡大して追葬が行われました。同じ石室を共有する血縁者は、概ね、イ)兄弟関係、ロ)父子関係、ハ)ロに家長の妻が含まれるもの、という3パターンが基本となります。これはイからハへ、すなわち親族構造の父系化への時系列的な変化とみてとれますが、渡来系習俗との融合も重要な要素で、単なる時間的変遷ではないと考えられています。どの親族までを古墳に埋葬するかで〈家族〉のありようが変わってくるわけで、親族・家族の形態と墓の構造・埋葬観とが相互構築的に変化してきたということになりますね。