中国においては天子の乗る車が桑で作られていたと聞いたのですが、何か関係はあるのでしょうか。

三国志』の劉備の逸話に、少年の彼が将来天子となる望みを語る際に、「桑でできた馬車に乗る」という表現が出てきますね。しかし、いわゆる車駕が必ず桑で出来ていたかというと、そうでもないようです。講義でも紹介した蓬矢桑弓の祭儀が、もともとは男子の立身出世を祈願するものだったこと、やはり辟邪の力を持つことなどが結びつけられ、車駕の素材とする発想に結びついたのでしょう。