飛鳥時代の出来事に関する資料は、『古事記』『日本書紀』以外にありますか。また、これらの信憑性はどの程度のものなのでしょうか。

文献資料としてはこの2つ、さらに『風土記』『万葉集』『懐風藻』『藤氏家伝』『続日本紀』などを限定的に利用可能でしょう。また同時代史料として、木簡や墨書土器などの出土文字史料、仏像の銘文や墓誌などの金石文を挙げることができます。しかしそれらは断片的なものに過ぎないので、基本は『日本書紀』を、史料批判をしっかり行いながら呼んでゆくということでしょう。『書紀』の読解は、近年では非常に精度が上がり、各巻がいったいいつ頃に編集されたのか、記述を担当したのは中国人か日本(倭)人か、といった問いにもある程度答えられるようになってきました。確かに問題は多い文献ですが、それゆえに「読みがい」があるともいえます。