白色のシンボリズムについて。憑き物につかれる家をクロ、憑かれない家をシロと呼ぶと聞きました。容疑者もシロ/クロなどと呼びますが、これは犯罪が憑き物のようにみられているからでしょうか。

面白い連想ですが、一般化できるかどうかは難しいでしょう。クロは「黒不浄」という言葉があるように、死や穢れを象徴する色彩です。罪は古来穢れと結びつけられてきましたので、穢れがある/ないとの基準から、クロ/シロの隠語が生じたと考えられます。ただし、異常行動が何らかの憑依によるとの認識は、前近代社会・民族社会に存在していますので、起源論とは関係のない解釈のなかで、そうした思考も成り立ちえたとは思います。