朝鮮半島の兄妹婚姻型洪水神話に出てくる石臼のモチーフについて。海の水が塩辛いのは、塩を挽き続ける石臼が海に沈んだからだという昔話を聞いたことがあります。臼には、「絶えない」といった意味が含まれているのでしょうか。 / 石臼などのモチーフは、朝鮮半島に特徴的なのでしょうか。

臼自体には永久性を象徴する要素はないと思いますが、問題はそれが「石」製であることです。石や金属は、古来、人間を超越する時間に存在するものとみられてきました。ゆえに墓を石で築いて碑を造り、神像や仏像も石を使って制作したのです。海のなかの臼も、石臼である点が重要なのだと思います。ちなみに、兄妹婚姻における石臼のモチーフは、朝鮮以外の少数民族にも見出すことができます。