木道令伝説は、仙女と樹木との婚姻のパターンになっている。このような植物との婚姻は、植物が実を付けることから創り出されるのだろうか。中国にはないのか。

樹木婚姻譚、人間が樹木から生まれる話は、中国にも見出すことができます。しかし漢民族においては、自然を支配し超克しようとする発想のなかで、早い時代に衰退していってしまうようです。神聖視される樹木は、その果実が有用な果樹などに限らず、むしろ枝葉の広がり、巨大さの方に重要性が置かれています。それは発展する生命の象徴であり、また人間を超える時間を生きるものとして、不老長寿の象徴と認識されるのです。