神々の言動に何らかに歴史的事実が反映されている可能性はありますが、それらはあくまで神話であって、実際にあったこととは考えられていません。多くは王族や氏族の来歴、他に比した優越性を喧伝する始祖伝承であったり、物事の起源を説明するために創られた物語であったり、祭祀の内容を説明する物語であったりするものです。系図も実際のものではなく、それぞれの神々を奉じる氏族の繋がり、上下関係などを表現するために創り出されたに過ぎません。『古事記』や『書紀』に載る大王で実在が確認されるのは、考古遺物や中国正史にも名前の現れる雄略大王(ワカタケル、倭王武)、それから数代後の継体大王以降です。