天皇家にとって、アマテラス以外の神はどうでもよい存在なのでしょうか。
天皇家は神道の最高司祭ですから、天皇家にとって、アマテラス以外の神がどうでもよいわけではありません。あくまで祖先神であることから、丁重に奉祀しているだけです。ただし、例えば古代においては、伊勢神宮とその他の神社の格差は歴然としていました。年中行事のうち最も重要であった祈年祭では、神々に五穀豊穣が祈願されましたが、うち伊勢神宮へは勅使が派遣され供物を奉る奉幣がなされましたが、その他の神社については、神職を中央の神祇官へ召集し供物を頒布するという班幣がなされたのです。このあり方は、天皇が自然神をも上回る権威を持つ天孫・現御神でありながら、神々に祈願をする司祭でもなければならなかったという矛盾に由来しているのです。