学校教育に用いる教科書の内容と研究との間には乖離がありますが、その教科書の内容は研究の現状を認識したうえで、故意に「選択していない」のでしょうか。

教科書はそれなりに地位のある研究者が編纂していますので、研究の現状を「知らない」ということはありません。しかし、弁護をしておくと、彼らの考え方がストレートに反映されるわけではなく、出版社の意向や文科省の審査が絡んできますので、さまざまな抑制が働くことになるわけです。究極的には、中高の歴史教育の目的や意義、教科書の定義自体を変えてゆかなければ、改善されない問題ともいえます。