里山でも、人と自然が共生できているのなら構わないのではありませんか。

構いません。しかし、里山とはいかなる状態を指しているのか、草山を前提とした世界か、現在のイメージか、共生とは一体いかなることをいうのか、というのが今回の単元のテーマです。草山を前提とした世界であれば、過度な環境改変は災害を頻発させる結果になっているので、いかなる意味でも「共生」とはいえません。現在のイメージならば一部正しいですが、とても日本列島の社会・経済を支えてゆけるシステムにはなりえません。その里山が存在するためには、どこかで大規模な自然への搾取が行われていなければならず、これも「共生」とはいいがたい情況です。