日本の場合、草肥が主流だったと聞いて驚きました。堆肥はそれほど使われていなかったのでしょうか。 / 草肥はコストパフォーマンスが悪いと思うのですが、なぜそれほど選択されたのでしょうか。
このあたり、まだ不明確な部分も大きいようです。草山や芝山の実態が明らかになる以前は、研究者の間でも、草肥の需要はそれほど高くはなく、堆肥が主流であると考えられていました。都市周辺では家畜や人間の糞尿が金銭で売買され、農村が貨幣経済に取り込まれてゆく一因をなしますが、他の地域では、田畑全体に施肥するほどの分量を確保することが難しかったのでしょう。また、水田は畑に比べ、作物に必要な窒素量が水によって供給されるため、草肥の使用で充分だったといえるかもしれません。