石に生命が宿るとされ、地蔵などが例に挙げられたが、死者を祀る墓が石であることも関係あるのでしょうか。

仏像その他の素材として石が用いられるのは、やはり耐久性に重きが置かれたためでしょう。墓石に関しても同じことがいえるでしょうが、古代・中世では一般庶民に墓などなく、近世でもしっかりした墓石を持てるような人々は、社会的・経済的に上部の階層であったことは注意しておく必要があります。卒塔婆をはじめとする木製の牓示、石であっても単に目印として路傍の石を置くような場合も多かったのです。