『医心方』にはさまざまな医術に関する記載があると仰っていましたが、当時不治の病とされた病気はあったのでしょうか。またあったとしたら、その治療には祈るしかなかったのでしょうか。

これから追々話をしてゆくことになりますが、もちろん不治の病と考えられたものは多くありました。それに対してはいかに予防するか、感染するものである場合はいかにそれを防ぐか、悪化させない方法は何かなどが探究されてゆきます。もちろん、古代の医術は呪術的な面も併せ持っていますので、治癒の呪術なども医書のなかに列挙されることになります。