「セクシュアリティの悩みか、ジェンダーの悩みか」のところで、先生はほとんどがジェンダーの悩みだと仰いましたが、私は中学生の頃、「男性性器が付いているという理解不能な感覚」にもの凄く関心を持ち、それが知りたくてさまざまに調べたり、とりあえず今生では知りえないと分かり悩んだりしました。これはどちらの悩みに属するのでしょう?

おーっ、それは難しいですねえ。精神分析のまねごとになってしまいますが、異性への関心・興味と自性に対する欠落感が同時に生じているようですね。どこかで(無意識的にでも)自性への圧迫感を感じており、それが異性への一種の憧れとなって表現されているのかもしれません。とすればそれは、やはりジェンダー的な悩みだといえます。ちなみに宝塚の男役の人たちは、衣裳の股間の部分に睾丸を表すボールを入れるのだ、と聞いたことがあります。みな、「こんな邪魔なもの、男はよく付けていられるな」という感想を抱くそうです。