道饗祭などの疫神祭祀は、都を守るための宗教的措置ということで、境界を守る神に祈願するとの説があるそうですが、それに類似したものは他にもありますか。

例えば大殿祭ですが、天皇が日常的に起居する大殿の神格化=屋船命、神祇官西院に奉祀される大宮の神格化=大宮売命に対し、祝福の言葉=ホカヒと散酒・散米をもって活性化し、大殿内に邪なものが徘徊しないよう守護を祈る内容になっています。構造としては同じで、何か限られた空間を保全しようとする場合には、共通してくる枠組みかもしれませんね。仏教では、例えば護国経典である『最勝王経』に依拠し、四方を守る四天王を奉祀する信仰のあり方なども、よく似ています。