天然痘被害による人手不足などから、身分の上昇が起きるといった例はなかったのでしょうか。

官位相当よりも低い位階の者を、やむをえず高位の官職に就けることはあったと思いますが、残念ながら『続日本紀』などからは痕跡を窺うことはできません。ただし、『続日本紀天平9年(737)12月壬戌条では、天然痘のために欠員の生じた官司への補填人事が記されていますが、通常の人事より外位の「外従五位下」が目立ち、11/19となっています。やはり、人材の枯渇が背景にあったのかもしれません。