中国では、優秀なエリートしか官職に就けなかったのに対し、氏族制の強かった日本では、その意味で身分の低い者も重要な職務に就きえた。一般庶民がそういった役職にうまく順応できたのでしょうか。

庶民といっても、氏族制下で特殊技術を持つ者、その職務を果たすべき者として教育されていますので、問題はなかったと思います。しかし女医などは、果たして官戸・官婢からあらためて教育するものですので、果たしてどれだけ効果が上がったか疑問があります。先にも書きましたが、事実、女医の活躍は実録史料からはほとんど窺えないのです。