なぜ出雲などの地域は、早期に青銅器祭祀を放棄したのでしょうか。

かつてイースター島では、各部族の間で神霊的存在へモアイ像を贈与する競争が起こりました。これは一種の蕩尽になって、結局文明の崩壊を将来してしまいます。出雲地域方は、加茂岩倉遺跡や荒神谷遺跡などから、とりわけ多くの青銅器埋納が行われた地域であることが分かっています。経済的・政治的にこの「蕩尽」体制の限界が近付き、異なる体制への移行が図られたのかもしれません。あるいは、贈与の競争の結果として、それをなしえた人物へ権力が集中することになったと想定することもできます。