青銅器の埋納については、自分は贈与説に近い考えを持っているが、贈与の対象は大王なのではないか。

青銅器祭祀の段階では、未だ「大王」と呼べるような権力者は存在しません。むしろ、青銅器祭祀を放棄した地域に墳丘墓が発展してゆきますので、青銅器祭祀を続けた地域は共同体的・合議的性格の強い社会、青銅器を放棄した地域が特定個人・家族へ権力が集中した社会、とみることができます。贈与の対象は、やはり神霊であったようです。