上流階級の人が傷跡を消したいと思うのは、それが穢れが残っているとみられるからでしょうか? / 当時の貴人女性は、あまり人前に顔を出さないイメージがありますが、それでも疱瘡の跡を消す必要があったのでしょうか。

「鳥毛立女図屏風」など、唐の美人像が当時の貴族層における美的枠組みを構築していたようですが、やはりその肌については、傷のない白く滑らかな状態が理想とされたようです。あばたはそれと対極にありますので、やはり忌避されたと考えられます。授業でもお話ししたような業病認識も、仏教信仰が隆盛するなかで忌避の理由になった可能性もあります。