中国の踏襲から、日本的な医療へ独自に発展し始めたのはいつごろからでしょうか。

大きなスパンでみると、やはり蘭学が入ってきて西洋医学への道が開かれるまで、医学の聖地は中国なのです。『大同類聚方』や『医心方』、本草学の『本草和名』などが、平安中期あたりには編纂されてゆきますが、多くは漢籍の引用、中国との対照などであって、本格的な学問の発展は近世になって以降なのです。