仁徳天皇陵などの古墳は、いまはきれいな前方後円墳の形をしていいますが、あれは1500年間ずっと保たれてきたのでしょうか。古墳を祀っている官司など聞いたことがないので…。 / 巨大古墳は、なぜ戦や戦争などで破壊されずに残っているのでしょうか。

一派庶民は天皇の存在を忘却していた時期もありましたが、支配者層の文化においては曲がりなりにも天皇制は維持されていましたので、いわゆる陵墓が破壊されることはありませんでした。古代においては、山陵を守衛する諸陵寮という官司が存在し、実際に警衛に当たる陵戸も設定されていました。現在でも宮内庁に、陵墓を管轄する書陵部が存在します。ただし、陵墓以外の古墳は古代から度々破壊されており、藤原京の開発段階ですでに破壊・削平が行われています。開発によってなくなってしまった古墳は、無数に存在すると思います。