昔は土葬が主流ですが、死者の魂は遺体に留まっていると考えられたので、土葬が主流だったのでしょうか?

難しい問題です。アニミズム世界においては、神霊が死体に宿るという考え方と、そこから脱して神霊の国へ帰るという見方があり、どちらが日本で一般的だったのかは分かりません。中国では、死体から立ち上る水蒸気を魂と考えたようで、死体を表す「鬼」に気体を表す「云」を付けて、「魂」という字を作ったわけです。しかしやがて、魂には天上に昇るものと、地上に留まるものの2種類があると考えるようになりました。古墳時代においては、死体を畏怖していた前期〜中期は主に魂をその場に留まるものと考え、後期以降は、古墳の墓室を出入り口に死者の世界へ出入りするものとみていた可能性がありますね。