辟邪というのは、死者を守るためのものなのでしょうか。それとも死者を遠ざけるものですか? 途中から混乱してしまいました。 / 辟邪からは、崇敬は生まれないのでは亡いでしょうか。

前期古墳の場合は、死体に対して崇敬/畏怖という両義的(相反する性格を併有すること)な感情が抱かれているので、辟邪についても、死体を邪気から守る機能と、死体の力が外部へ影響をもたらすことを防ぐ機能の、2つが期待されたと考えられます。いまでも我々は、何らかの対象に対して相反する価値付けを同時に持つことがありますが(好き/嫌い、愛/憎悪などが分かりやすいでしょうか)、古代社会や民族社会ではそうした「両義性」がより一般的に表出されます。例えばカミなど、祀り方によって人々へ幸福をもたらすこともあれば、災禍をもたらすものとしても認識されており、そのことが祭祀の必要性に結びついているのです。