縄文時代にもカエルの図像が存在したことは、授業で扱ったと思います。どの象徴が支配的だったのか、というと難しいですが、喪葬や他界観に関わる範囲では、月=蛙の結びつきが強かったといえるでしょう。それは、日本の装飾古墳が模倣とした朝鮮、つきつめると中国の墓制のなかに、向かい合う太陽と月、そのなかにいる三足烏と蟾蜍(ヒキガエル)が図案化されているためです。その図案を支えている思想や心性が重視されたというより、まずデザイン自体が重要だったのでしょう。このあたり、いまのファッション、流行とも通じる点があります。