◎4の史料にみられるような、殺生をする者に罪がかけられるという思想は、道教にも一般的にあったのでしょうか。

六朝道教は仏教の影響を受け、これまで持っていなかった前世というものの考え方、善業・悪業の思想を発展させてゆくことになります。仏教で禁じた五戒は道教でも重んじられ、やはり殺生は最も重い罪業とされました。罪業が多くなると身体が濁ってゆき、清浄な神仙からはどんどん遠ざかる存在になってしまいます。そのため、悪いものを殺すことも本来的には忌まれた、ということです。