中高の日本史で、『宋書』の五王が誰々天皇、と覚えさせられました。嘘と聞いてショックですが、私たちがこれまで勉強してきた日本史は間違いだったのでしょうか。

倭の五王を誰に当てるかは、さまざまな見解があるということで、すべてが間違いというわけではありません。しかし中高の授業は、その性質上ひとつの答えに収斂せざるをえないので、あたかも五王のそれぞれが『書紀』や『古事記』の天皇に直接該当するかのような教え方をしているのでしょう。大学レベルでは学界の共通認識を教えてゆきますので、『書紀』掲載の「天皇」に不確かな部分が多い以上、五王を無理に誰かに当てはめること自体がナンセンスである、と考えるわけです。