古代の日韓関係の通史についてレポートを書いているのですが、日本が当時朝鮮の諸国に対して持っていたイメージの示されている史資料はありませんか。

史料というのであれば、やはり『日本書紀』が明確です。百済関係の文献も引用されており、研究が進んでいます。岩波書店日本古典文学大系小学館の新編日本古典文学全集など、注釈書も充実しています。ただし分量が多いので、何か朝鮮半島との関係を研究した書物を通してみてゆく方がいいでしょうね。日本の学界では、現在、東アジアの外交世界を、「東部ユーラシア」の視点から読み直すことが盛んです。いわゆる東アジアの外の世界との関係が、東アジアの内的交流にどのような影響を及ぼしているかを考えるわけです。廣瀬憲雄『古代日本外交史:東部ユーラシアの視点から読み直す』(講談社選書メチエ)などは、目から鱗かもしれません。