「小説」と「説話」の違いはありますか?

「説話」とは、もともとは仏教の教えを譬喩を使って説明した物語のことをいいます。大乗仏典にはこの手のエピソードが多く収められていますし、釈迦の前世譚であるジャータカなども、説話の一種といえるでしょう。しかし、東アジアにおいて実際に作成されてゆく説話集は、志怪小説や志人小説(総称して「古小説」といいます)の影響を受け、当初から実話と虚構の狭間にある物語が多く収録されていました。ゆえに、「小説」と「説話」の境界は曖昧です。現在の研究では、「説話」の概念は極めて広汎に拡大し、あらゆる物語を含み込むまでになっています。ゆえに、志怪小説も「説話」の範疇で捉えることが一般的になっていますね。