伯夷と対座した十人の犬が、金を賭けて双六をしたというのが気になった。当時の双六とはどのようなものなのだろうか。

鎌倉頃の絵巻『長谷雄草紙』に、羅生門の鬼が紀長谷雄に双六の勝負を挑む、というモチーフがあります。双六はいまのバックギャモンのようなもので、やはりお金を賭けたりして行われるので、ときどき禁令が出ています。以後や双六といったゲームの類は、勝負がはっきり分かれるということで、起源としては占いの道具にある、あるいはそちらの方向へ分化・派生することの多いものです。それゆえに、他界のものとの関わりが描かれるのかもしれませんね。