病の捉え方について、「観察」は書かれないのでしょうか。脈や顔立ち、事に当たっての反応など、漢方の先生はよく観察するようですが。
もちろん、顔の色、むくみなどの状態、目の色・動きなどなど、多くの処方において、病の特定をする際には顔の状態の観察をします。脈診も、早くから発達し、専門の経典ができている技術のひとつですね。顔については、やがて医術と占術とが融合して、顔相をみる相書の類が大きく発展してゆきます。敦煌文書に残る『男女身面諸黶之図』断簡には、顔や身体におけるほくろの位置に応じて、どのような未来があるか、吉凶があるかをいちいち記した占文が網羅されています。