天皇の継承が安定し、幼帝が出現したとのことですが、幼帝は主に何をするのでしょうか。摂関家の傀儡になってしまうのは想像がつくのですが、ほぼすべてを摂関が握ってしまうのですか。

最終的な決断は天皇が行いますので、その教育係である実母、外戚などが重要な位置を占めることになります。また、前近代においては政治上極めて重要な意味を持っていた儀礼などは、天皇でしか行えないものが種々存在しました。幼帝にも種々の「働きどころ」があったのです。さらに、傀儡という概念は、王権と別の価値観を異にする勢力とが対立関係にある場合に使用しますが、平安時代天皇家摂関家の価値観は大きく対立するものではありませんでした。藤原氏摂関政治は、概ね支配勢力の利害を代表するものであったといえるでしょう。