中国では世界や人体の概念が共通していた、とのことですが、広い国土でどのようにして概念を共有していたのでしょうか。

確かに。なかなか難しい問題ですが、例えば気のエネルギーが循環することで世界の成り立ち、動きを説明してゆく考え方は、中国の世界観のなかではかなりプリミティヴなものに属するということです。儒教道教、その他諸子百家の思想なども、このようなものの見方を共通して持っています。まだ「漢民族」という概念自体も存在しない時代で、ここから陰陽五行思想も構築されてゆきます。中国全土というと、確かに厳密さを欠くかもしれませんが、かなり広い範囲で共有された考え方だったと思われます。