人頭税から土地への課税へ変化したのは、中国の影響でしょうか。

確かに8世紀末、中国でも均田制が放棄され、資産額に基づき戸の等級を定め徴税をなす、両税法が開始されます。しかしこちらは、個別人心支配に基づく人頭税である点を放棄していません。日本の王朝国家が到達した。生産を行い収益の上がっている土地は、国家により特権が認められているものを除き、公有私有を問わずすべて課税対象とし、所有者や耕作者にではなく、上がった収穫に対し徴税を行うものとは、質的に異なります。これは、当時良吏と呼ばれた人々が地方社会の変質に向き合い、そのなかで何とか国家財政を建て直すために編み出した、それこそ列島独自の制度であるといえるかもしれません。