慰安婦問題についてですが、あった/ないでいえばあったと思うのですが、韓国側が主張する被害者の数も多すぎると思います。外交のかけひきの道具になることもあると思うのですが、歴史学者はどのような態度をとればいいとお考えですか?

もちろん、細かな点については、実際の被害者の証言、文書記録などの証拠を積み上げ、政治的な介入を排して考えてゆくこと、議論してゆくことが重要です。しかし注意を促しておきたいのは、よく慰安婦問題を外交問題と理解するひとが多いのですが、これは人権問題です。ゆえに、被害を受けた人々の人権に配慮し、その補償と保護を最優先に考えてゆかねばなりません。さらに、慰安婦として強制的に徴用された女性のなかには、朝鮮半島や中国、台湾、東南アジアなどの人々だけでなく、日本人もいたのだということは理解しておくべきです。