副読本について、検定によって偏った教科書とのバランスを保つ役割を果たすことができるのではということですが、中高生にまったく考えの違う日本史に触れさせて混乱させてしまったりはしないのでしょうか。

確かに、混乱は生じるかもしれません。しかしまず、歴史が単一の真理ではないということを理解してもらえば、教科書を国の定める事実、副読本を学界の提起する定説として、併せて考える材料にしてゆくことは可能ではないでしょうか。いわゆる記憶型ではなく、思考型の授業展開を考えてゆくうえでも、そのあたりの試みは効果的なのではないかと思います。