明治維新になって標準語が教科書などで定められてきた、とありましたが、はっきりとした標準語の成立は、一日で変化・決定したものではないのではないでしょうか。

いや、標準語の成立の話はしていないと思うのですが…、ナショナル・ヒストリーのアナロジーとして『国語元年』についてお話ししただけですね。標準語の成立については、ご指摘のとおりと思います。ただし、これから順々に進めてゆきますが、ナショナル・ヒストリーも「一日にしてならず」なんですよ。ずっと紆余曲折があって、現代に至る。国体の完成、皇国史観の完成がそれに当たると思うのですが、しっかりした成文化は、実に1940年代に入ってからなのです。それだけ、教育による「統一」を実現するのは大変であった、ということでしょうね。