史料から史実を読み取るという実証主義の方法論を、もう少し詳しく知りたいと思った。

実証主義は、哲学的認識論のレベルでいえば、実は経験論なのです。確かに、史料の読み方や判断の仕方には基本的なセオリーがありますが、重要なのは「経験」。すなわち、どれだけたくさんの史料を読んでいるか、どれだけたくさんの参照材料、判断材料があるかということです。その意味で、とても「科学」とは呼びえない部分もある。もちろん、その経験自体は、事実か否かの判断に際し極めて有効であるわけですが。