今日は仏教の話を伺いましたが、『法華経』のほか、宗派によってどんな思想の相違があるのでしょうか。また、日本へ入ってきたときに、植物が有情になるのはどうしてですか。

仏教は、今日お話ししたところを根源的な枠組みとして、宗派ごとにかなり細かな相違があります。最も異質なのは浄土教系統、かもしれません。日本でいちばん大きな教団は、この系統の浄土真宗ですが、衆生はすべて阿弥陀如来によって救済されており、現生の苦しみを終えればユートピアである極楽浄土へ往生できると説きます。仏教はずっと現実社会を相手にしてきましたが、ここでは厭世的傾向が顕著で、救済を現実にではなく来世へ求める傾向が極めて強くなっています。なお、樹木の成仏の問題については、きちんとそのための回を作って授業で説明します。