戦後から半世紀経ちますが、なぜ未だに教科書の改変は右寄りなのでしょうか。

右寄りというより、やはり国家が国民を生産するための装置ですので、その同一性を相対化するような要素はできるだけ排除したい、という意識はあるのでしょう。また、ガイダンスのときにもお話ししたように、現政権は戦後政治のなかでも卓越して国権を強化する志向が顕著で、メディアにも教育にも頻りに介入し自己の考え方を強制しようとしてきます。北海道旧土人保護法の検定から修正への過程など、そうした政権のもとで社会も萎縮し、事実に基づく自由な発言ができなくなってゆくのが怖ろしいところです。