明から「日本国王」に冊封されることが、この時代、どれだけ政治的経済的に義満に力を与えることになったのだろう。 / 私の変な愛国心が働いているのかもしれませんが、中国との国交が国家を統一するにあたって重要になることに、不満というか疑問を感じました。

上にも書きましたが、まず国際関係的、また朝鮮半島琉球、東南アジアなどと関わりのある九州、中国・四国地方の国々と優勢な関係を築いてゆくうえでは、環東シナ海地域の覇者である明と結ぶのは大きな意味がありました。交易の利が巨大なことは平安以降の唐物交易の発展で分かりきっていましたし、平氏政権にしても、鎌倉幕府にしても、日宋貿易を掌握することで、政治的・経済的、そして文化的な覇権を獲得しえたのです。義満には「日本国王」号など大きな意味を持たず、これをツールにして独占的な交易を実現することにこそ意味があったのでしょう。