ハイヌヴェレ神話には、3という数が象徴的に使われている気がしましたが、これはヴェマーレ族が3を神聖視していたからなのでしょうか。

3は、数学的には次元を確定する要素とされ、中国では紀元前の殷王朝の時代から、卜占で使われる聖数となっています。後に天・地・人を象徴するものと意味付けられ、それこそ天下を表す鼎が3b本足であるなど、多くの表現がみられます。しかしハイヌヴェレ神話の場合には、ココヤシの成長や女神の成長の早さを体現する数字となっており、授業で紹介した竹の焼畑の成長を表す諺のように、植物の再生能力の強さを意味しているものとみられます(恐らく背景には、より具体的な環境民俗に属した、山や樹木に関する知識が関係しているものと思われます)。