なぜユグドラシルにはトネリコが選択されたのだろう(常緑樹の方がよかったのでは?)。それぞれの地域で神聖な樹木として選択されるものには、どのような理由があるのだろうか。

セイヨウトネリコは、確かに落葉樹ですね。スカンジナビア半島周辺には広く自生していた樹木ですので、北欧の人々にとって馴染みの深いものであったことは確かでしょう。また、アジアにおける竹のように回復力が強く、10年程度のスパンで伐採できたので、多くの用途に木材として用いられました。ユグドラシルの3本の根がそれぞれ特徴を持った泉に根ざし、地下の冥界から地上、天界を貫く存在であることからしても、この回復力に根ざした死と再生のイメージが、セイヨウトネリコユグドラシルとなっていた主要な要因でしょう。