縄文時代に亀が信仰の対象になったのは、古代中国での亀卜などの風習が伝わったからでしょうか?

中国では、いわゆる亀卜が始まる殷帝国より以前の時代から、亀を神聖なものとする信仰がありました。約7000年前の河南省舞陽県賈湖村344号墓からは、小石の詰まった8個の亀甲器がみつかっており、最古の占いの道具ではないかと想定されています。しかし、縄文時代はこれと並行する時期ですので、あえて中国からの伝播を想定しなくともよいでしょう。中国王朝の亀卜は、古墳時代に日本へ伝来し使用されることが分かっていますが、それ以前、中原地域で亀甲の使用が始まって以降も、山東半島遼東半島では、鹿の肩甲骨を用いた骨卜が行われたことが知られています。すなわち、弥生時代に至るまで、日本列島は亀卜の文化圏ではなかったのです。