縄文時代の円環に配置された墓域と、現在のお墓のあり方とは、どのように変遷して結びつくのでしょうか。

縄文時代の環状墓域は1万年前の話ですので、現在の家単位、個人単位の墓のあり方と直接的には結びつきません。歴史時代には、古代・中世時期のように、遺棄葬といって墓を必要としない葬送文化も存在しました。現在のような墓が作られるようになったのは、家制度が確立し、寺の過去帳が戸籍のような役割を果たし、衛生面から埋葬関係の法規が整備されて以降、近世から近代に至ってのことです。