『南詔図伝』に描かれた人の肌が、黒かったり白かったりしていますが、黒いものを野蛮に描いているのでしょうか。

南詔図伝』の描き方をみると、六蒙、そして細奴羅や邏盛など南詔国王家の人々、そして梵僧、仏教に帰依した人々は白色系で書かれているのに対し、仏教に帰依せず梵僧を迫害した人々は黒褐色系の彩色を施されています。ここにはやはり、意図的な色彩の使い分けがなされているとみてよいでしょう。ただし、南詔王家を生み出してゆく少数民族彝族には、奴隷主階級を黒彝、農民や奴隷階級を白彝とする呼び方があり、白より黒の方がグレードが高くなっています。もしかしますと、『南詔図伝』を写した大理の人々、この人たちは白族でしたので、彼らが何何らかの書き換えを行っているのかも分かりません。